BANAPA通信

表参道にある小さなギャラリーオフィスで起こる
日々をつづるブログ

⌘n

 

まだまだ冬の最中ですが

土曜日には早咲きの

満開の桜に出会いました。

春、もうすぐそこですね。

 

諸説ありますが

デザインという仕事が

コンピュータで行うものになったのが

1996年と言われています。

ちょうど20年が経ちました。

 

当たり前ですが

以前は手で行っていました。

線もペンで引くし

文字も写真も

手で「アタリ」を書きました。

 

そんな時代、デザインの修行は

道具の使い方から始めたものです。

何しろペンで線を引くのですから

これが均一で真っ直ぐにひけなければ

仕事になりません。

「1mm幅の中に表罫*を6本以上書け」

なんて言われたものです。

(*=0.1mm罫のこと)

 

それがコンピューターだと

理論上、9本まで書けてしまいます。

マウスとキーボードを使って

誰にでも。

修行も必要なく。

 

このように

コンピュータの特性によって

デザインの作業は

格段に効率化されました。

正確で

簡単で

複製も自在です。

 

軽度な仕事なら

依頼に近い内容のモノを

過去のデータから探しだし

ちょっと改良するだけで

できてしまうモノもあります。

 

でも、

ちょっと待ってください。

 

「デザインする」ことと

「パソコン作業する」ことは

同義語ではないのです。

 

私は新しい仕事に取り掛かるとき

DTPアプリを立ち上げたあと

コンピュータの誘惑を振り払い

『⌘n』から始めます。

 

デザイナーである自分に課した

義務と思っています。

 

1985-1b

太田、デザイナー1年目の作品。

自分で版下も作ったので、

もちろん線も私が引きました。

ロットリングでね。

 

一見キレイに見えますが

よく見ると線が揺れています。

1985-1a

でも、1年目にしては上出来?

written by 太田

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