BANAPA通信

表参道にある小さなギャラリーオフィスで起こる
日々をつづるブログ

ドングリじゃないよ

私が20年前に装丁を手がけた本を

電子書籍版で再版したいという相談があった。

 

ついては、書籍のデータを一式欲しい

というのが連絡をくれた相手の依頼だ。

 

そこで何某かを要求したところで希望は通らないし

悪しき慣習だが、そもそも契約書もない。

関係をこじらせたり、面倒臭いやつと思われて

得なことなど一つもない。

その手の依頼には気前よく応えている。

 

ただ、ここで一つ問題なのは

この当時、書籍のDTPといえば

アプリケーションはQuarkXPressだ。

 

な、なつかしいっ!!

 

Mac OSが9だったころ、Adobeではなく

圧倒的トップシェアはQuarkXPressだった。

21世紀の時の変遷は本当に早い。

年寄りの「10年なんてアッと言う間だよ」

というのとは、また意味が違って

移り変わり、入れ替わりが本当にばかっ早い。

 

スマホだって大勢の人々に大々的に広がったのは

わずか15年ほど前のことで

それまではガラケーが当たり前

携帯電話でさえ、一般的に普及してから

まだ30年も経っていないのだ。

 

さて、QuarkXPressに戻ろう。

当然いまの私のマシンにはインストールされていない。

果たして開けるのだろうか?

当時のアプリだからインストーラはCDであるハズだ。

だが、そんな昔ものが果たして入れらるのか?

 

いゃ、待てよっ!

インストーラがあってもドングルはないぞ!

 

おーーっ、ドングル!!

あーーーー、懐かし過ぎて涙が出るーーー

 

一つのきっかけで20年前に束の間タイムスリップ。

ひとり悶絶した豪雨の日の午後の出来事であった。

 

*ドングル=ソフトウエアキーのことで

これをPCのポートに挿すことで起動できる

アプリケーションのための鍵のようなもの。

一本のアプリを複数台で使い回す事を防ぐ目的だった。

written by 太田

車窓3

3回連続で電車の話しである。

 

新大久保─高田馬場間の線路に面した

とあるマンションのことが気になっている。

バルコニーがゴミ屋敷状態になった一室があるのだ。

その状態で既に相当の年月が経っている。

たまに少しだけゴミが減ったように見える時もあるが

気づくとまた天井までゴミが積み上げられている。

 

おそらく賃貸物件だと思われるが

どんな人が住んでいるのだろう。

健康状態は問題ないだろうか。

いつか片付くのだろうか。

まったく大きなお世話で

自分でもバカらしいとは思うのだが。

 

一方、駒込─巣鴨駅間のホームの法面には

ツツジがたくさん植えてあり、GW頃になると

まるで額に飾られた写真や絵画のように

満開になった花が車窓を埋めてくれる。

 

どちらも同じ山手線の車窓の話しだが

そのどちらに目がいくのかは

その時の自分の気持ちの状態によるのかも知れないと

最近になって気がついた。

 

いまはツツジが待ち遠しい。

ゴミでいっぱいになったバルコニーのことは

そういえば、いつの間に忘れていた。

 

私は今のところ、大丈夫なようだ。

written by 太田

車窓2

先日、通勤電車内のお供は

文庫本だという話しを書いた。

一方、体が触れ合うほどの混雑時や

本を持っていないときには

主に車窓の景色を眺めて過ごしている。

 

うっとりするような夕陽に出会ったり

夕立など天気の急変を目の当たりにしたりと

思いがけないシーンに出会す事もあれば

古い建物が取り壊され、その地に

新しいビルが建っていく様子など

定点観測的にその過程を見届ける事もある。

 

いつもと同じ窓だけど

見える景色はいつも少しずつ違う。

その変化を見続ける事が

「暮らす」という事なんだと思う。

 

今夜の車窓からは、

どんな発見があるのだろう。

written by 太田

電車のお供

通勤などの、つかのまの電車内で

スマホをいじっている人はとても多い。

私は極力スマホは取り出さないようにしている。

とくに朝夕の体が触れ合うほどに混雑しているときは

ポケットから取り出すのも面倒くさい。

そもそもその状況で取り出して見なくてはならないほど

重要なものは、そのときスマホの中にはない。

 

私が電車内で取り出すのは

もっぱら文庫本だ。

 

音も出さない。

光も発さない。

手指をせかせか動かす事もなく

つまり、他人に迷惑をかける可能性が極めて低い。

 

この「迷惑をかけていない」状態がいい。

周りの乗客も、本を開いている人に対しては

不思議と攻撃的にならない気がしている。

 

やたらと殺伐とした都心の電車内で

気持ちを穏やかに過ごす事ができる

貴重な電車のお供が文庫本なのだ。

written by 太田

品川を、住む。

通勤の山手線内で見た

マンション広告のキャッチコピー

「品川を、住む。」

 

相変わらずやってますね

不動産ポエム。

マンションポエムとも言うらしいです。

 

マンションを売り出す際の

広告で使われるキャッチコピーの類が

やたら詩情的でオモシロいと

ひととき話題にもなりました。

 

実は当社も創成期(1980、90年代)には

かなり多くの物件広告に携わっていました。

その当時からキャッチコピーは

なぜかポエム調でした。

 

「流れる雲に聞いてごらん

どこに行くのって」

 

上記は当社の前代表の作品です。

どこのマンションだったか忘れましたが

郊外の高い建物があまりない街の

物件だったのだと思います。

 

当人に「さすがに何も分からないよ」って

文句を言ったので覚えていました。

 

こうしたマンション広告ですが

手掛ける際にまず現地へ調査に出向きます。

立地、駅からの所用徒歩時間、

学校や商店など付近の生活施設等々。

クリエイターが自ら赴き

そうした情報を調べたものでした。

今もそうしているのかな。

 

で、「品川を、住む。」?

場所しか分かりません。

 

調べてみたら、物件の最寄り駅は

高輪ゲートウェイでした。

それもあるあるですけどね。

written by 太田

229

閏年生まれなので

229には敏感です。

 

4年に一度しかない

2月29日のことです。

 

1日は24時間しかなく

1週間は7日しかないことを

日頃から恨めしく思っている私は

365日に足されるこの1日を

有意義に使うと意識してきました。

 

ご褒美ランチに行ったり

かつての恩師に連絡したり

思い切ってサボる一日にしたり

etc…

 

さて、今年の229ですが

ニンニク料理でも堪能してみようか。

語呂合わせでニンニクの日なんだそうです。

 

、、、有意義ってほどでもないか。

梅は咲いたか

桜はまだかいな

 

written by 太田

コーヒーブレイク

打合せに訪れた得意先にて

少し時間があったので

みんな大好きコーヒーチェーン

ス○バに立ち寄った際のこと。

 

私「ホットコヒー2つください」

店「サイズはどうされますか」

私「小さいので」

店「Shortですね」

私「あっ、はい」

店「店内ご利用ですか。お持ち帰りですか」

私「えっと、持ち帰ります」

店「○○円になります」

 

ここで連れが一言

連「先に座ってるね」

店「お持ち帰りでは?」

私「時間がないので飲みきれないと思って」

店「つまり、店内利用するんですね(チッ」

私「すいません(アッ」

店「税率8%にしてるんですけど(カッ」

私「ごめんなさい(シュン」

店「今後は気をつけてください(キッ」

私「失礼しました(スゴスゴ」

 

お土地柄、この店員さん

帰国子女なのかもと思しき雰囲気。

笑顔なし、終始事務的。

私の非に対してもピシャリッ!

けれど、手際はよく無駄がない。

 

「これでいい」

素直にそう思いました。

コーヒー2杯、数百円です。

過剰なサービスや

謙った応対を期待する方が間違ってる。

 

確かに笑顔で気持ちよく対応してくれたら

それは気持ちがいいし、正直嬉しい。

でも、客側がそれを望むなら

自らがまず人として紳士然と振舞うべきだろう。

 

人は鏡。

自分から笑顔にならなければ

相手も笑わないのだ。

 

あえて言うならドトール派です。

 

written by 太田

道具

ネジやビスを回すドライバーは

バリエーションがとても多く存在します。

大きさだけでなく、尖り具合や硬さ

形もプラス、マイナスの他に六角や星形など

さらに凸だけでなく、凹タイプもあったり

数えきれないほど種類があります。

 

そしてそれは当然のことながら

ネジやボルトにそれだけの種類があるから

必要になるわけですが

ここで肝心なのはネジとドライバーの種類

特にサイズを合わせることです。

 

固いネジを力づくで回したところ

ネジ山が潰れてしまい、回せなくなって困った

という経験のある方は多いでしょう。

 

それはほとんど場合、たとえ些細でも

サイズが合っていないのです。

ちゃんとピッタリのサイズを当てれば

多少ネジが柔らかくても潰すことなく回せます。

 

つまり、

組み合わせ(=適材適所)を間違えると

役に立たないどころか壊してしまうのです。

いまの政府みたいですね。

 

おっと! また政治批判になってしまった。

なのでウンチクをもう一つ。

 

ネジ山にこれだけの種類が存在するのには

いくつか理由があるのですが

防犯性のためもあるのをご存知ですか?

 

人目につく箇所にあるネジで

簡単に外せては困るものって結構ありますよね。

泥棒もいたずら目的も、職人や工事業者のように

ドライバーを数多くは持ち歩けないので

ちょっと珍しい形のものを使ったり

あえて柔らかい素材でつくったりして

そういう輩から守る意味もあるんですよ。

 

これは何を守ってる?

 

written by 太田

なんどもいうよ

少し前を振り返り1月中旬の話題に触れたい。

民進党候補が制した台湾総統選挙のことだ。

 

昨年から世界中がその動向を注目していた同選挙は

中台統一を目論む習近平=中国当局の圧力と

台湾の現状維持を望む民意のと戦いだった。

 

事実上の強権専制主義国家、中国のなりふり構わぬ圧力に

台湾の民意が勝利した事実は計り知れず大きい。

もちろん中台統一を望む台湾人も少なからずいる。

それでも、多くの一般市民らが望む結果であった事に

異論を挟む余地は大きくないはずだ。

 

翻って我が国の現実はあまりにお粗末極まりない。

 

話しはそれるが、日本に約2万人ほどいる郵便局長だが

局長になるには自民党入党が条件だと今朝の新聞で知った。

局長が党員なら、局員も? そう考えるのは自然なことだ。

 

経団連しかり、医師連盟しかり、不動産協会しかりだ。

そうした大きな組織が自分たちの利益のために自民党をまもり

そうした支持母体のために自民党が便宜を働く。

ゆうに半世紀以上、この構造が続く事態を許してきたのは

他ならない、日本の一般市民である私たち自身なのだ。

 

先の台湾総統選だが、その投票率は71.68%だったそうだ。

一方、日本の直近の国政選挙、2022年の参院選は52.05%である。

 

いい加減、目を覚まして欲しいものだ。

もはや「うつけの君主」と成り下がった今の内閣に

私たちの子どもや、その次の世代の未来を託せるはずがない。

 

追記

これもいつも言っている事なのですが

自民党が諸悪の根源だと言っているのではありません。

誰が支持したのか。高い投票率であったか。が大切なのです。

政治家は投票してくれた人の方を向いているのです。

多くの支持をくれた層に向かって便宜を働くのです。

つまり、棄権する人たちは無視されて自業自得なのです。

高い投票率で政治家を本気にさせなくてはいけないのです。

 

夜明けはいつかのう…

written by 太田

今年の抱負

年改まり早くも1週間。

ここ数日こそかなり冷え込んではいるが

東京は比較的暖かい日に恵まれた。

 

そのせいもあってか、自宅近所のあちこちで

いつも以上にランニング姿の人が目についた。

おそらく年初に誓いを立てたのだろう。

「今年こそ運動習慣を身につける」と。

 

目標を立てる事はとても大切だ。

やや極端な言い方をすれば

目標のない日々は、ただ死に向かう日々だ。

 

仕事で成長を遂げよう

英語を身につけよう

楽器の一つでも弾けるようになろう

料理のレパートリーを広げよう

タンスの中を片付けよう

etc…

 

何でもいい。

目標を定めクリアする習慣を

身につける事が肝心なのだ。

 

目標のない日々は

あてもなく巨大なショッピングモールに行くようなもの。

どれだけ店が多くて、商品が溢れていても

目的がないのだから買うべきものは見つからない。

モール内をただ彷徨うだけだ。

偶然面白いもの興味を引くものに出会ったとしても

それは一時凌ぎ。暇つぶし。

人生を満たすほどのものにはなり得ない。

 

目的さえあれば

小さな雑貨屋さんこそ宝の山になるのだ。

 

かく言う私の

今年の抱負、誓いは

 

 

まだ、ない。

 

彷徨えるオジサン。

初詣には行ってきたとさ。

written by 太田

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