BANAPA通信

表参道にある小さなギャラリーオフィスで起こる
日々をつづるブログ

もってるオトコ

晴れ男の称号は

遠い過去の栄光となってしまったようです。

太田です。

 

4月の第3週。

私たちはとある地方空港で

3日間に渡るロケに挑んでいました。

 

2日目、時間は19:00過ぎ。

一日中降り続ける忌々しい雨は

その先も止むそぶりをみせません。

 

そんな中、カメラマンと私は

特別な申請を通して

滑走路と並走する場周道路にいました。

 

この雨では、残念ながら

撮影は断念せざるを得ません。

最終日となる翌日のために

せめてロケハンだけでもできれば。

そんな思いで

地の果てのような場周道路を

ひたひたと走っていました。

 

そしてお目当ての地点で

運転者に声をかけ、車をとめてもらうと

私は同乗するカメラマンと得意先に

「明日、この辺りで件のカットを狙いましょう」

と伝えます。

 

それを受け、カメラマンは

レンズが雨で濡れぬよう

車のウインドゥを少しだけ下げると

カメラを手持ちで構え予行練習に励みます。

 

そこに、たまたま目の前で

おあつらえ向きにボーイング機が

タキシングに入ります。

 

すると、なんということでしょう。

気がつけば雨は小雨になり

ボーイング機がファインダーの中で

ベストポジションに収まるると

その時を待っていたかのように

雨が完全に止んだのです。

 

慌ててウインドゥを全開にすると

カメラマンは長尺レンズをドアに固定し

息をひそめ、獲物を狙い澄まし

その影をカメラに収めていきます。

 

許された時間はわずか数十秒。

ボーイングは爆音を残し

鮮やかに飛び去っていきました。

 

気がつけば

ついさっきまでと同じように

雨が滑走路に打ち付けています。

もはや誰も驚きません。

 

カメラに刻まれたシーンが

息を飲むような

素晴らしい写真として残されたことは

言うまでもありません。

 

いずれ時期が来ましたら

改めてその成果物、カメラマン氏を

ここで紹介しようと思います。

 

それまで、まだ暫く

余韻とともに独り占めしておきます。

 

IMG_3110

諸々オトナの事情があって

これくらいの写真しか載せられないのですよ。

あー、楽しかった!

 

written by 太田

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