BANAPA通信

表参道にある小さなギャラリーオフィスで起こる
日々をつづるブログ

われはくさなり

新聞読んでますか?

ななめ読み、太田です。

 

読売新聞の

購読者ではないのですが

同紙の朝刊コラム

「編集手帳」には

たびたび心を振るわされます。

 

6代目担当者

竹内政明氏が手がける

わずか500字の

しかし毎日掲載される

その秀逸な言葉紡ぎから

知り合いの作家

「泣ける新聞コラム」と称えていた一節を

ここで紹介させていただきます。

 

 

11打数0安打5三振。野村克也さ

んのプロ野球人生1年目である。拝

み倒して撤回してもらったものの、

シーズンの終了後には解雇を通告さ

れている。その人が戦後初の三冠王

になり、名監督になった。◆新国劇

の名優とうたわれた島田正吾さんは

駆けだしの昔、舞台で『千葉周作』

の寺小姓を演じた。たった1行なが

ら、新聞の劇評欄に初めて名前が載

った。<島田正吾、観るに堪えず>

◆山中伸弥さんが執刀すると、20

分の手術が2時間かかった。足手ま

といの〝ジャマナカ〟という異名を

先輩医師からもらい、臨床医になる

夢をあきらめた。その人がノーベル

賞で研究医の頂点を極める。◆きょ

うが入社式という人も多かろう。希

望に燃える門出には要らざるお世話

にちがいないが、何十年か前のわが

身を顧みれば日々、挫折と失意と狼

狽と赤面の記憶しか残っていない。

◆高見順に『われは草なり』という

詩がある。<われは草なり/伸びん

とす/伸びられるとき/伸びんとす

/伸びられぬ日は/伸びぬなり>草

の丈が伸びぬ日もあろう。そういう

日は、大丈夫、見えない根っこが地

中深くに伸びている。

 

 

ポスターがまた、いいんです。

B_2013•ÒWŽè’ 0823_B2

大手町の地下鉄構内で

これを見かけたのが

「編集手帳」に興味を持った

きっかけです。

 

written by 太田

members