BANAPA通信

表参道にある小さなギャラリーオフィスで起こる
日々をつづるブログ

2024

 明日、世界が滅ぶとしても

 それでも今日、私はりんごの苗を植える

 

ある大切な人が目の前に迫った死を

避けられない状況にあると知った際に

藁にもすがる思いで手に取った一冊。

その冒頭、1ページ目に書かれたこの言葉に

私は人目も憚らず嗚咽を漏らしてしまった。

 

先の言葉はルターが遺したと言われているが

私が目にしたのは柳田邦男著「ガン回廊の朝」でだった。

 

一見すると無駄や矛盾にに思える

その行為(言葉)は

無常を日常に変える

絶望を希望に変える力を持った

魔法の言葉だ。

 

以来、私はこの言葉を

お守りのようにして生きてきた。

 

平時には日常の有り難さを思い

辛い時には希望を見失わないために

胸に思い浮かべては心を照らしてきた。

 

元旦夕方に北陸能登を襲った震災に

心を痛める一年の始まりとなってしまった。

被害に遭われた方やその家族に思いを馳せれば

自然と、かの地の戦争や紛争を恨みます。

人災なのだから止めようがあるだろうにと。

 

地球上の全員が希望を失うことなく

今でなく、いつかでいいから

また前を向いて歩き始める事ができますように。

そう願って止みません。

 

追記:

当時、柳田氏の著書にはまり

しばらく著作を買い続けていました

何冊目かに手にした「毎日の言葉」。

 

同姓同名(漢字違い)の他人だと気づくまで

数十ページを費やした事は内緒です。

written by 太田

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