BANAPA通信

表参道にある小さなギャラリーオフィスで起こる
日々をつづるブログ

お手紙

年の瀬も押し詰まってまいりました。

「迫る」ではなく、「詰まる」です。

 

コロナ以前から禍中にかけて

立て続けに両親を亡くしたこともあり

どさくさに紛れて

年賀状をこっそり卒業しました。

出さなくなって5年が過ぎました。

 

年賀状を送っていたときは

印刷だけって不誠実な気がして

一言、せめて名前だけでも手書きで添えようと

何百枚もの葉書の束に向かったものでした。

 

その作業は丸1日を要しました。

いつも決まって仕事納めの翌日。

ひとりオフィスにこもって一枚一枚。

その日は実に多くの人の顔を思い浮かべる事になります。

 

頻繁に会うひと

離れたところ暮らすひと

暫くご無沙汰のひと

年賀状だけのお付き合いのひと

 

ひとり一人の顔を思い浮かべながら

ペンを走らせる作業は

それはそれで温かい気持ちになれる

貴重な時間でもありました。

 

年賀状を出さなくなったいま

代わりに手紙を書くようになりました。

季節に関係なく

おもにご無沙汰気味で

ふと、お顔が浮かんだ方へ

なんとなく挨拶として。

 

ある日わたしから

あなたのもとに手紙が届いたら

特別な事でなくそういう事情ですから

驚かないでくださいね。

 

手紙は万年筆で書く派です。

written by 太田

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